SCIENCE FICTION

宇多田ヒカルが、人生初のベストアルバムを出すらしい。

 

www.utadahikaru.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前まだベストアルバム出してなかったのかよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めに言っておくと、私は宇多田ヒカルの大ファンではない。

数いるアーティストの中では好きな方で、一般レベルで曲を聴いて、カラオケで歌うレパートリー内に幾つか彼女の曲があって、といった程度である。彼女の来歴なんぞ1ミリも知らないし、ディスコグラフィなんて気にしたこともない。

 

 

 

だからシンプルに、このニュースを見て一番最初に思ったことは「遂に出すんだ...!!」とかでもなく「まだ出てないのマ?」である。

 

 

 

それくらい彼女のことを何も知らない。知らなさすぎている。すげえベテランアーティストという位置付けでしかない。「へえ~そうなんですね、おめでとうございます!」と、貰っても貰わんでもいいようなやんわりとした拍手を送るのが精々なくらい極限(マキシマム)知らない。

 

 

 

だからといって、他のアーティストと一括りにするにはあまりにも影響を受けすぎているとも思う。

折角なのでこの機会に、宇多田ヒカルのやべぇところをにわか私なりに書き残しておきたい。

 

 

 

 

 

 

基本的に私は

音楽を“メロディー”で愛すタイプだ。

勿論歌詞は大事だが、それは自分がアウトプットする際に気をつけているところであって、聴いていて心地良いものでない限りはそこまで掘ろうという気にすらなれない。

洋楽やKPOPも、英語や韓国語の音が好きだから聴いているし、どれだけ歌い方や声、歌詞が好きなアーティストの曲でもメロが愛せなければいいね!と親指を立てることも無い。

 

 

そんな中で、宇多田ヒカルは恐らく唯一の歌詞で愛せるアーティストだと思っている。

 

 

 

あ、ちなみに、記事を読むにあたって擦り合わせなければいけない価値観だと思っているので共有しておきますが、漏れは「音楽(総合評価)は最終的に技術じゃなくて好みやろ!」と思っているヨ。しかしその上で"作詞のバケモン"は好みとかすっ飛ばして確実に存在してる概念だと思っているヨ。

 

 

 

ニーチェの名言が今世まで人を翻弄し続けているように、詩だけで人の心を満たすアーティストというのは、間違いなくいる。言葉の魔術師は、います(バカデカ大声)。

なので私の好み云々はさておき、宇多田ヒカルが"それ"である、という自論を一旦受け入れた上でこの記事を読んでください。これは命令です。契約すると言いなさい。

 

 

 

 

 

話を戻す。

 

"作詞のバケモン"

と一口にいっても色々なタイプがいる。個人的によく注目してしまうタイプを三つほどあげてみる。

 

 

①些細なことをめちゃくちゃオシャレに、でも簡潔な言い回しに変換できる人

aikoやBack Numberなんかがこのタイプだと思っている。

 

 

長い間の片想いを「伝えたかった事は 今も昔もずっと同じままだよ」と言ったり。

複雑な恋愛模様を「不安なのは貴方のせいじゃない あたしの想いが洋服の袖の色 いつまでも涙で変えるから」と表現したり。

自分の元に戻ってきて欲しいくせに「夏を通り抜ける度に私は綺麗になるの お見せできなくて残念だわ」と強がったり。

 

 

日本語ならではの表現力というか、行間を読むことを半ば強制されているこの国ならではの美学なんじゃないかと思っている。兼ねてより私たちは「愛してる」を「月めっちゃ綺麗で草」って言ったり、恋煩いを五七五七七とかいうくそ焦ったい文字数に当てはめたりと、回りくどいのが好きなのだ。例に漏れず私もそうだということ。

 

でもこれは自分で書こうとすると案外難しい。真意から近からず遠からずみたいな、絶妙な距離感を突くのがこの人たちはあまりに上手すぎる。絶対平安貴族だったんだろうな前世。好き。

 

 

②小さな発見をくれたり、見落としていたことを改めて考えさせてくれる人

恐らく私の好きなアーティストは大概ここに当てはまる。

ふとした気づき、輪郭のぼやけたものに手を加えてピントを合わせる力、考えもしなかったことに着目する思想、それを端的に歌詞に盛り込む技。すごい。やってることはブログやTwitterに近い。でもすごく響く。なんで?

はるまきごはん、Indigo la End、なとりなんかがこのタイプ。

 

 

家族愛について「選べないのに何故必要なんだろう」と悩んだり。

失恋を引きずり続ける中で「進むから美しいはずなのに」と自身を責めたり。

結局恋愛なんて「全部君次第なんだ それで、よかった」と呟いたり。

 

 

正解のない問題を取り上げているのに、これ以上の正解が見つからないところまで煮詰めている感じが好きなんだと思う。説得力があるというか。

...いやでもこれは向こうに説得力があるのが先なのか、私が歌詞に納得しているからそう感じているのが先なのか分からんが。

 

 

③信じられないくらいストレートな言葉で、爆弾を落としていく人

大変お待たせしました。本題です。

もう別名宇多田ヒカルタイプでいい。というか、宇多田ヒカル以外にここまでインパクトのあるわかりやすい詩を書けるアーティストを私は知らない。

 

 

お前ら、宇多田ヒカルの歌詞をまじまじと読んだことがあるか?

完全初見で新譜を聴いた時に、ありえないくらい耳に入ってくる歌詞にやられて卒倒した事があるか?

一体人生何周目でこんな歌詞が浮かぶんだと宇宙猫になったことがあるか?

 

 

彼女の凄さは、一歩間違えたらめっっっっちゃダサくなるであろう歌詞を、信じられんくらいの重たさを孕んで書けることである。

いくつか例を出す。

 

 


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君に夢中

Oh 人生狂わすタイプ

Ah まるで終わらない deja vu

バカになるほど 君に夢中

 

 

「人生狂わすタイプ」という歌詞を聴いた時に、マジでドン引きしたのを覚えている。

たった八文字。でもこれだけで、この恋がとても穏やかなものでない事は想像に容易い。もしかしたら後ろ指刺されるような恋愛になるかもしれないし、いっそ出会わない方が良かったんじゃないかとも思わせるフレーズである。堕落していく自分を客観的に見ている要素も伺える。

 

 

この情報を、感覚を、たった一言で表している。しかも誰が読んでも伝わるくらいには簡単な言葉で。それがどれほど難しいのかは、世の中の音楽が証明してくれている。最近の音楽は、良くも悪くも難解なものが増えた。曲も歌詞もメロディーも、全部がややこしくって絡まり合っている。それはそれで大好きなんだけどね。

 

 

というか、これぐらい素直なワードが仮に思いついたとしてもめちゃくちゃ軽〜〜〜いニュアンスにしかならないから"誰も出来ない"が一番近いと思う。

 

 

 


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これのサビなんかがいい例だと思うのだけれど、

 

幸せになろう オフィシャルな野望

明日は今日よりも... (ヲー!)

恋人になろう 手繋いで歩こう

貴方を誰よりも... (ヲー!)

幸せになろう 悲しみは利用

寄り道もしたけど... (ヲー!)

今すぐに会おう 思い出は昨日

明日は今日よりも... (ヲー!)

 

 

 

 

 

 

 

おいおい宇多田ヒカルまじかよ、と思った事だろう。

 

 

ヲー!ではない。全くもって。

 

 

湘南乃風辺りが同じような歌詞を書いていてもぱっと見おかしくない気がする(馬鹿にしていません)。現に彼らは真夏⚡️☀️のjamboreeにレゲエ < 砂浜 << bigwave!!して歌っている(馬鹿にしていません)

 

 

でもつまり彼らの場合、この歌詞だったらアゲ↑な曲のほうが合うやろ^^ と思っているのである。正直わかる。

誰がこんなクラシックみたいな歌と声に「ヲー!」「許されぬ恋ってやつ?」「ライバルはエビフライだよ」「ゼンセきっとチョコレート」って歌詞当てようと思うんだよ。少なくとも私ならそう思う。

 

 

でも宇多田ヒカルはこれくらい素直な詩を書いても軽さやチャラさがでない歌を歌えてしまうので、寧ろ相性◎なんですね。いいとこ取りしている。

 

 

 

やべえ歌詞はまだまだある。

 

 


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有名どころだが、全体を通して非常〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜に好きな作品なので共有したい。

 

家族のために頑張る 君を盗んでドライヴ

全ては僕のせいです わがままに付き合って

二時間だけのバカンス いつもいいとこで終わる

欲張りは身を滅ぼす 教えてよ、次はいつ?

ほら車飛ばして 一度きりの人生ですもの

砂の上で頭の奥が痺れるようなキスして

 

 

特に好きなところを選出した。

難しいことは一つも書いていない、小学生でも何をしているか分かるくらいの文章である。

 

家族のためにせっせと働く君(椎名林檎)を好き故に盗んで、二時間ばかりのドライブに勤しんでいるわけだ。僕のわがままってことでいいからと言い訳まで添えて。欲張りは良くないと思いつつ、すぐさま次いつ会えるか聞いてしまうくらいには、相手が好きなんだということがわかる。

 

 

言葉の簡易さと、想いの質量が一致しなさすぎる。バカ重感情であることなんて読んで一発で分かる。「好き」も「愛してる」も「一生側にいる」も言ってないのに、密度の高い純愛だと伝わってくる。

 

 

てか「頭の奥が痺れるようなキス」ってフレーズ、マジでやばくないか?これ以上言い表せないくらいの大正解だと思っている。

 

 

あと歌詞とはズレるけど、映像も大好きなので是非見て欲しい。二人のお揃いぱっつんボブと、遠い惑星に逃避行するような演出が、お忍びデートみたいな感じをこれでもかと滲ませていて最高すぎる。ああ本当に等身大の二人を描いたのかな、と思わせてくれる。ずっと美しくて、穢れがない。

 

最後、一切目線を合わせず抱き合う二人を見ていると、お互いがお互いに別々の人生というか、居場所があるんだなと嫌でも思わされる。それがちょっぴり切ないね。

 

 

 

 


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これはベストアルバムに収録されない楽曲だが、大変好きなフレーズがあるので最後に共有する。

 

愛してる、愛してる

薄情者な私の胸を

こうも絶えず締め付けるのは 貴方だけだよ

 

愛してる、愛してる

一人きりが似合う私を

今日も会えず泣かせるのは 貴方だけだよ

 

 

もう私から説明する事は何もない。分かるか、分かるだろ、分かってくれ。

 

 

 

『空想科学』

ベストアルバム名がSFって、マジでどういう事?自分の過去作全てがフィクションだったとして、それをこの歳になって科学的に証明してみせるよってこと?ごめん私も何言ってる?

 

 

個人的には未発表の新曲、ReRecの『Addicted to You』、NewMIXの『Beautiful world』,『Flaver of life』辺りが楽しみです。好き曲いっぱい入ってるし買ってもいいかなと思うけど、買ったら全国ツアーの特別エントリー券ついてくるみたいでちょっと怖い。

 

 

だってそんなのついてきちゃったら、絶対応募してしまう。倍率鬼だろうから外れるだろうけど、外れたら今度一般応募でも当てたくなってしまう。

宇多田ヒカルのライブなんて、人生で一度でも行ってしまったら、なんか音楽人生全て塗り替えられそうで怖いのだ。無量空処食らいそう。それがちょっと恐ろしくて円盤購入まで渋ってしまう自分がいる。生歌どれくらいやばいのか、もう想像もできない。あ〜絶対死ぬんだろうな、くらいしかわからない。怖すぎる。

 

 

興味がある人は是非買ってください。で、ライブ応募して、当選して、死レポください。

よろしくおねがいします。

 

 

 

サンキューボカコレ【Vocaloid Collection 2023 ~Summer~】

ほんまありがとう〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

Twitterでも散々騒いだからもういいだろって感じなんだけど、好きなものを制限なく好きだと語りたいので書きます。自分の備忘録も兼ねて。推し曲については一言二言呟きで触れたりしたけど、リストにぶち込んだ曲全ては語れなかったからここに書き残しておきたい。

 

あとプレリスを自分の好きな曲順に並べ替えたかったんだけど、50曲もあるとマジで甲乙つけられなくて諦めました。悔しい。当記事は最終ランキング順にしたのでそれの通りに紹介します。あと個人的TOP10くらいは書いておこうかなと思うので参考までに。

 

 

 

 

てかボカコレ云々の前に、ボカロの種類増えすぎてついていけんのやが〜?

となったので、曲感想の前に簡易ボカロ仕分けまとめ置いておきます。長いので棲み分け。ほぼ自分用なので細かい部分は許して。でも同位体とかSVとか何言ってんだお前ェ!!!!って思ってた人は、これ見るとちょっと分かるかも。

ただ流石にキャラ数が多すぎるから、有名どころと今回のボカコレでよく見かけた名前のみの紹介に絞った。興味ない人はブチ飛ばしてね。

 

 

 

 

以上です!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

おい、多すぎだろ。わかるかいこんなん。まとめるのバカ大変だった。本当はVOICEROIDとか読み上げ系もあるからもっと種類あるんだけど際限ないから割愛。

今後もボカロは新人が増えていくだろうね。ババアには厳しいがこれからも頑張って覚えていくよ....

 

つーわけでおまたせ、以下プレリス楽曲紹介です。

 

 

 

TOP100 Ranking

リレイアウター feat. 歌愛ユキ / 稲葉曇

 

曇さん楽曲並びにユキちゃんをすべからく愛している私ですのでそりゃ好き。でも正直一位は意外だったかも。過去作通して作風にブレがないから、固定ファンを着々と増やし続けられるのが曇さんの強みな気がする。ニコ生リアタイで一位受賞感謝コメント読み上げられた時、ユキちゃんを筆頭にボカロが好きなんだな〜という内容にグッときた。これからも好きです。

 

 

怪電話 feat. ROSE & POPY / r-906

 

リリース自体はボカコレ前だったので今更驚いたりとかはなかったけど、これがボカコレという枠にはめられた時にどのくらいの位置付けになるのかな〜っていう見方で楽しんでた。圧巻の3位。これがドラムンベースの力。ところでバンドリAI使ってる人あんまり見ないけど、ROSEの人間らしさと力強さのバランスってかなり優秀だと思うからもっと流行ってほしい。

 

 

巫 feat. 羽累 / 柊マグネタイト

 

歌詞の意味なんてわからなくったって人に刺さる音楽は作れる!𝑪𝑨𝑵𝑴𝑨𝑲𝑬 𝑻𝑶𝑲𝒀𝑶。

祝詞と造語のMIXなのかな?とか思ってるけど全然わからない。使ってる音は全然現代音楽なのに、巫っていうタイトルとBメロ頭のあ〜〜がめっちゃ雅楽っぽくて好き。

 

 

文化になっていく feat. 初音ミク / カンザキイオリ

 

私はイオリさん刺さらない人種なんだ...と今まで諦めてたけど、これはドストライクだった。イントロの低音格好良すぎる。多分調教があまり好みじゃないから、ボカロ楽曲というジャンルで聴こうとすると抵抗感あるのかもしれない。これも完全に人間ボーカル映え楽曲だと思うし、今後いっぱい歌みた出るだろうな。それでハマるもの見つけられればまたイメージ変わってきそう。梓川さんこれ歌ってくれないかな....人マニアも良かったけど...こっちも歌ってくれないか...

 

 

風呂入るプロファイル feat. 初音ミク / もちうつね【my pick 5👑】

 

漏れもお風呂好きだぞ^o^

もちうつねさんからしか得られない"萌え"があるなと思いました。フォーカスしている場面は結構ネガティブだったりシリアスな要素が多いけど、それをポップに可愛く描いてくれるから楽しく前向きに受け取れる。あとコメントで、お風呂入りたいのに鬱で入れなかった時結構こんな感覚だったと書いてる人がいて、わかるな〜となった。『小夜子』みたいに、世界の隅っこで灰になったままべたべたの髪を指で梳く時もあるし、「ぽまえオフロスキーな癖に風呂入れないのマ〜!?(T T)」みたいな時もある。これは後者。

 

 

OSINT feat. 歌愛ユキ , 結月ゆかり , 重音テトSV / 椎乃味醂【my pick 4👑】

 

OSINTとは「オープン・ソース・インテリジェンス」の略で、一般公開されているあらゆる情報を収集・分析し、独自の情報を得る手法です。

もう味醂さんの作品って総合芸術でありながら啓蒙活動だろ...と思っている。色々語ることがこんなに怖いと思わせる作り手は近年珍しいんじゃないだろうか。

曲と映像の格好良さはもう見た方が早いので何も言わんが、一つ言いたいこととしては今回歌い手にユキテト迎えてくれたのが本当に嬉しかったです。あとVerse feat.という表現、味醂さんはボカロミュージックというか完全にEDMを作っている感覚なんだなぁと思って面白かった。ジャンルでいうとこれなんなんだろう、ブレイクコア?私は歌詞のないドロップ部分が一番好き。ボカコレなのに。歌の部分ではなく。

ちなこんなにクールな曲作ってんのに意外とパワープレイなんだぜ。

 

 

魔天楼 feat. flower / 煮ル果実

 

サビのまってんろう〜のリズム楽しすぎる。ワンフレーズ絶対耳に残るんだよな煮ルさんの曲って。過去作もそうだけど花ちゃんの調教もセットで曲の魅力として認識されている気がするから、他の人のRecoverとかRemixとか全然見ないんだよな...誰か私のために他の子に歌わせてみてくれないか...

 

 

あいのうた feat. 初音ミク , 重音テトSV / 大漠波新

 

キャプションからも作品からも伝わるボカロ愛。動画時間3:09でミクにしてるところとか、もう徹底ぶりが凄い。テトパートを前めで音取りしてるのは、ラスサビのユニゾンでダブリングっぽくしたかったからなのかな?というか今回ボカコレ通してテト出演本当に多かったけど、これも全部SV発売のおかげ。ありがとう...

 

 

人マニア feat. 重音テト / 原口沙輔【my pick 9👑】

 

真打は遅れてやってくる。TOP100に突如現れ順位を引っ掻き回した遅刻勢。ただのガチプロ。センスとかそういう言葉で軽率に表せない。だってもうそれを生業にしている人だからサ...

でもやっぱ音楽で食っていく人って、人を惹きつけるものを作る才が当たり前のようにずば抜けてるんだと思いました。周りより短い時間でファンを獲得して最終位置11位だからね、やばいよ。

あとSVじゃなくてUTAUのテトに歌わせてくれたの、金一封譲渡したい。私はSVよりUTAU派です。

 

 

ディペンダンサー feat. 足立レイ , 唄音ウタ / 青栗鼠

 

青栗鼠さん...好きだ...集計出るまで私がTwitterずっと追い続けてた唯一の人。ありふれた"お洒落"に収まらない曲を書いてくれる青栗鼠さんが大好き。今回投稿前から「最高の曲できちまったから聴いてくれ!!」ってTwitterでガンガン発信してたの見てたから余計に楽しみだったけど、その期待を裕に超える全力感。その裏にはめちゃくちゃ苦悩があるわけだけど、いつもコンセプトやテーマを崩さないところに青栗鼠さんの芸術性と根性を感じる。

あと今回相棒のユキちゃん封印で、まさかのレイウタで来たのアツかった。青栗鼠さんの足立が聴ける時代になったのマジで有難いよ...あとあとお誕生日おめでとうございます。

 

 

シニカリティ feat. 琴葉葵 , 初音ミク , 可不 , 東北きりたん , ストピくん / 電ǂ鯨

 

完全SAN値0の世界へようこそ。もちうつねさんをもっと闇堕ちさせた姿が電ǂ鯨さんだと思っている。この人の作る曲って、現実のそこらじゅうに転がっている"当たり前"を、いろんな角度から深〜〜〜く考え直して咀嚼して、どうあがいても逃げられない恐怖に変換してくるんだよな。深夜にベッドの中で宇宙のこととか1000年後のこと考えたりして猛烈に怖くて眠れなくなるあれ。あれと一緒。一曲聴き終えた後の行き場のない絶望と、それでも日常は続いていくんだというやるせなさ。

 

 

美人局 feat. 初音ミク / 是【my pick 8👑】

 

どう考えても革命だろ。良すぎる。是さんの世界観って他の言葉で形容し難くて説明が難しい。どの曲もそれぞれ色が全く違うのに、これ作ったの是さんやでって言われたら「あ〜〜〜〜!!」ってなるの意味わかんないだろ。

強いていうならケロケロかけたみたいな調教の仕方なのに、人間みたいな歌い回しさせてるのは是さんの特徴だなって思う。+α今回ミクの歌い始めの声が全部歪んでるの、他の曲にはなかった表現だから死ぬほど好きですね...。カバーも絶対映えるからみんな歌ってくれ。

 

 

オーヴァーキル feat. 初音ミク / 夏山よつぎ【my pick 10👑】

 

ジャンル的にはルーキーで紹介している『エゴチャート』と一緒。よつぎさんの方が歌詞聞き取りやすいかな。Bメロのメロディーと調教、Cメロの4/4→3/4変拍子パートがめちゃくちゃ好き。ていうかCメロ部分、音どうなってる?リバーブでぶつかってるだけかもしれないけど、きっちりした和音に分けられてる感じしないのに凄い気持ちよく感じるのなんでだろう。

 

 

最凶勇者 feat. 鏡音リン / DIVELA

 

ベースゴリゴリ歪みマシマシボカロック × 鏡音リンの組み合わせ = 替えの効かない栄養。ちなこれサビ、合法ドラッグです。血を激らせたい奴、首取れるくらい頭振りたい奴、とち狂いたい奴、なんでも良いからぶっ壊したい奴は今すぐDIVELAさんを処方しろ。

 

 

ぐずったれ feat. 健音テイ , 暗鳴ニュイ , 湯鬱声カラス / ◈*ゆくえわっと

 

ゆくえわっとさ〜〜〜ん!!!だ〜〜〜いすき!!!令和に輝くUTAUマスター。バン!って豪快に振るってくる低音が最高にテンション上がるし、ハモマシマシボーカルで音の厚み心地良すぎるし、メロディーも中毒性あるのに展開がいつも面白いし、本当に好みな曲ばっかり作ってくれる。是非これを聴いてテイニュイの虜になってくれ。というかUTAUをみんなすこれ。

 

 

トーテム feat. IA / 伊根【my pick 1👑】

 

優勝〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!

ボカコレ個人的NO.1はダントツでこれ。私が伊根さん好きすぎるのもあるけど、それにしたってマジで良いでしょこんなん。IAちゃんマスターすぎるし、伊根さんの書くメロディーって予想が出来なくて好き。結構奇怪な音の跳躍多いと思ってるんだけど、無理矢理感がなくてストンと入ってくるから、ちょうど良いくらいのジェットコースターだと思ってる節がある。それくらいずっと飽きが来なくて快感。一番最後突然C#Mに転調したと思ったら「命乞いじゃない」で元のC#mに戻すところお気に入り。

あと皆小説読んでくれ無料公開だから。伊根さんの楽曲は小説読むと世界観バチハマりしてより臨場感味わえるゾ。活字と音、どっちを先に産んでるのかはわからないけど、近未来的なサウンドに潜むちょっとディストピアな感じがたまらんのよな。

同じ感覚で過去作も全部好きだけど、中でも『テイム』と『DiVER』は頭ひとつ抜けて好き。聴いてください。しかも皆大好きクラウドナインだぞ。推せよ。

 

 

ギャンビット feat. 初音ミク / 雄之助

 

もう書くことないよ...聴いたらわかる最高雄之助サウンドだもん...痒いところ全てに手が届く作品。EDM × 和はオタク弱いんだよ。あと気づいたんだけど、私が雄之助さん全刺さりする理由って絶対和音だと思う。多分、四度堆積和音(王道和音は三度離れた音で構成するけど、四度離れた音で構成することによってちょっと神秘的な響きになる)じゃないかな、わかんないけど。 妙な神聖感を求めてしまう。

 

 

エウタナシア feat. 歌愛ユキ / ど〜ぱみん【my pick 2👑】

 

タイトルはギリシャ語で"安楽死"。再生して数秒で好きだと確信した曲。笑い声とか口笛とか日常的な効果音の混ぜ込み方が楽しすぎるし、音作り素晴らしすぎるし、ドロップで脳みそぶっ飛ぶし、天下のユキちゃんだし私特攻すぎる。最後ナースコール鳴り響く中の暗転で終わるの不穏すぎてサ...癖ェ...

転調の仕方とか映像の作り方がどことなく青栗鼠さんを彷彿とさせるので思わず「別名義なのか...?」とか調べちゃったが全然そんなことなかった。あとその道中で神椿所属なの知って椅子から転げ落ちた。これだから神椿は...ど〜ぱみんさん、推します(決意)。

 

 

虚像の過多の上に夏 feat. 重音テト UTAU & SV / 霧四面体

 

『あいのうた』がミク(並びにボカロ全体)への愛なら、これはテトに捧げる愛の歌。曲の構造をリアルタイムで知ることが出来るのって今までになかった仕組みでめっちゃ面白い。再生時間はテトの誕生日だし、BPMがテト誕生の2008年から始まって最終的に2023年に到達するの感動した。あと変拍子と怒涛のコード進行がsasakure感あってイイネ。

 

 

夜間飛行 feat. flower , Fukase / Δ

 

Twitterティザーの時点で期待大だった作品。ボカコレって、大衆音楽だけじゃなくてこういう嗜好盛り盛り芸術作品が無限に出てくるから最高だよな。個人的にはinstを音量マックスで聴きたい。2:30からの切り替わり綺麗すぎて意味わからんよ。

 

 

ディスバリズム feat. 鏡音レン / daraku

 

イントロからもう好き。令和のボカロだな〜って感じ。歌い手がレンなのも死ぬほど好き。これ他の子だったらここまでハマってなかったかも。多分BPM120前後かなって思うんだけど、このくらいのテンポって聴いてるだけで歩くの楽しくなるし、ドライブナンバーとかに最適じゃんね。夜にこれ聴いてかっ飛ばそうぜ。私免許持ってないけど。

 

 

プロトタイプ feat. 狐子 , 知声 / Aira【my pick 7👑】

 

ヤベ〜〜人と出会ってしまった。こういうさぁ、あらゆる音で終始ぶん殴ってくるような音楽に弱いです私は。終わった後も声が出ないというか、衝撃の余韻をしっかり残してくれるような曲ばかり好きになってしまう。誰にもカバーしてほしくないボカロ曲って、この歌い手飽和時代で宝石みたいなもんでしょ。最高。あと同位体不得意の私に与えられた狐子ちゃんという希望の星に出会わせてくれてありがとう。声好きすぎる。

 

 

ストックホルムワルツ feat. 歌愛ユキ / イマニシ【my pick 3👑】

 

背景のマンションデザインはスウェーデン都市のストックホルム、歌詞の内容はストックホルム症候群とかけてるのかな?と予想。淡々と描かれる堕落や崩壊、廃退みたいなものとユキちゃんの親和性って異常だと思う。ていうかこれが43位は絶対どうかしてるからもっと伸びるべき。ストーリーも、最後まで見るとなんとなく分かるようになっている仕組みになっていて好き。何よりラスサビの歌詞よ...ピアノでめっちゃぶん殴るやつぶりに見た手法。天才の所業。

 

 

レイン feat. 鏡音リン / ごめんなさいが言えなくて

 

ごめ言えさん〜〜〜〜〜!!!好きです。淡白でメランコリック、0と1でつくられた音楽という感じが堪らない。そこに被さる、いい意味で無色透明なリンちゃんの歌が最高なんだよな。あえて悲しい気持ちになりたい時が不定期にくるんだけど、そういう時によくごめ言えさんの曲聴いてるかもしれない。

 

 

かろやかさ feat. 蒼姫ラピス / しゃいと

 

今回ボカコレでラピスちゃんこれしか見つけられなかった。いいねのお礼メッセが「いつかもっと有名にしてやるからなラピス...」だったので、彼女を選んだのは作者の愛故なんだなと思いました。そういうのすこだゾ。

短い時間の中で常に高い沸点で走り抜けてくれる曲。シンプルなアニメーションだけど歌詞とのリンクに重きを置いていて好き。サビめっちゃ中毒性高い。

 

 

ワンルーム・ユニバース feat. 足立レイ / 音無あふ

 

イントロ聴いて一発で落ちた。『二次元ドリームフィーバー』とか『濁るイノセント』とかもそうだけど、濁流の如く押し寄せるシンセ愛してるよ。それに溺れて死にたい。あと作者の足立愛を猛烈に感じられるのも良い。二次元と三次元を繋ぐ歌って普通にオタク泣いちゃうからね。古くよりインターネット文化は二次元への猛烈な憧れによって成り立ってるので(lain然り、超てんちゃん然り、ボカロ文化もそう)、電子の海の住人とコミュニケーション取れるような錯覚を植え付けられるともれなくオタクは死ぬ。ソースは俺。

 

 

乙女を頬張ってよ feat. 可不 / SEE

 

こんなんどう考えてもただ見つかってないだけで草。95位なわけないだろこれが。誰かシンクロ率300%の歌い手がカバーとかしたら一発だろ。良すぎるもん。可不の正しい使い方という感じがする。「見つめてよ」で語尾上がるの最強に可愛い。

 

 

ROOKIE Ranking

おどロボ feat. 琴葉姉妹 , ずんだもん / 海茶

 

言 葉 を つ つ し め よ 。

お祭りテーマだしポップで可愛いしで初見時気づかなかったけど、ランキング発表の時に界隈曲!ってコメントが沸いててあ〜〜〜!!!!となった。確かに。すべあな大好き人間なので無意識に引き寄せられていたらしい。ただ可愛いだけかと思いきや、元ネタやらパロやらありまくりのインターネットミームミッケ。prsk収録楽しみです。

 

 

警報のあった日 feat. ナクモ , めろう / 世界電力

 

もうこれをボカロ曲と定義していいのかわからんくらい人間。こういうランキングイベントで男声が上位にくるのって本当に珍しいんですけど、それくらい衝撃を与えた作品だったんだと思う。普通にバカエモい邦ロックだもんなこんなん。イントロギターのアルペジオが絶妙に哀愁を纏っていて泣きたくなる。ちょっとシュノーケル思い出した。

 

 

∄ Nascence ∄ feat. 巡音ルカ / ∄∄∄∄∄

 

ランキング発表のニコ生で作者読み方不明と紹介され、一夜にして読み方不明Pとのあだ名を授かった異端作。まごうことなき電子ドラッグ。音の暴力。真理を形作ろうとした結果。理解しようとしたら負け。てかこれMVに出てくる女の子トラッキングだと思うんだけど、V以外のMVでトラッキング用いてるの初めて見た。

因みにNascenceは"誕生"を表す名詞で、∄は"存在しない"を表す数学記号らしい。え、つまり、そういうこと...?怖...

 

 

みずたま feat. 歌愛ユキ , 初音ミク / OLDUCT

 

ピコピコキラキラ電子音に包まれたい人におすすめ。Perfumeみたいな中田ヤスタカサウンドが好きな人にはブッ刺さりそう。しかもそこに笛とか鈴とか足して和テイストにしてるのめちゃくちゃ気持ちいいんだよな。途中くそおしゃれなピアノソロあるし。MVクソ可愛いし。歌愛ユキは神だし。言うことなし。

 

 

エゴチャート feat. 初音ミク / Ruliea

 

ただ只管音を楽しむ楽曲。『オーヴァーキル』の兄弟。正直歌詞は全く聞き取れないから、マジで何も考えずに頭を縦に振りたい人向け。でもそれがいかにもネットミュージックっぽくて私は好きです。近年ボカロはどんどん人間に近づいていってるけど、私はボカロって機械じみてるからこそ好きみたいなところがあるので、これくらい歌わせる気ない曲聴くとニヤニヤする。

 

 

まわる洗濯ネット feat. 足立レイ / picdo

 

picdoさんがボカコレ参加するの知らなかったから、作品見つけた時はリアルに声出た。私に足立レイという存在を教えてくれた偉大な人。マジで全曲好き。いつも言いようのない憂いを感じる。初動の伸び方めちゃくちゃよかったから1桁圏内入ると思ったんだけどなぁ...ルーキー最後だったみたいだし、次は是非有象無象のTOP100で戦い抜いて欲しい。

 

 

ラニカ feat. 初音ミク , 可不 , ナースロボ_タイプT / んべべ商会

 

聴くタイプの風刺絵画。これもTwitterティザーの時点で期待大だったやつ。モノクロサイケとダークEDMの合わせ技。感性と芸術性の暴走という感じがする。これマジでもっと伸びていい。映像もすごいし、途中の朗読パートのリアルさもえぐい。歌唱も読み上げもこなせる饕餮ならではの技だった。考察しがいがありそうなところも個人的に高得点。

 

 

REMIX Ranking

少女レイ feat. 初音ミク / いよわ

 

禁忌と禁忌の融合。胃以外最強な男。つよわ。今やボカロ界隈に君臨する魔王となってしまった。いよわさんの凄いところは、作品の作り方が死ぬほど変態チックなのに大勢の人に支持されていて、ボカロに知見がない人さえも彼の音楽性を理解したり解析したりしようとするところです。正直なところ、私はこのRemixに死ぬほど酔いしれたかと聞かれるとそうではないんだけど、いよわさんの個性みたいなものをこれでもかと感じられる作品だったからそういう意味で好きだったかも。

あと個人的に購読している、いよわさんについて只管考察している大好きなブロガーさんを紹介しておく。いつもめちゃくちゃ興味深い記事書いていらっしゃる。

熱異常』の時の記事とか最っっっっ高におもろいで。いよわさんについてよく知らない人ほど読むと良いと思う。

 

 

174_Frases_4kickDnB / r-906

 

唐突に神マッシュアップ入ります。失礼を承知で書くが、私はくれむさんを、ドラムンベースを引っ提げて蘇ったwowakaさんだと思っている。ボカロ界に旋風を巻き起こしてくれ...いやもう巻き起こしてるけど...P歴自体は5年くらい経ってるから努力の結晶だと思うんだけど、くれむさんは運とタイミングを味方につけた人というイメージ。『パノプティコン』が世間に見つかって本当に良かった。

 

 

熱異常 feat. 足立レイ / シャノン

 

何食べたら『熱異常』をジャズアレンジしよう!って発想が浮かぶのか。謎。思いついたとしても、それをこんな高クオリティで形にできることがもっと謎。あとアウトロの映像が本当に好きすぎてそこだけ何度も巻き戻してしまう。足立、中の人がいないのに三次元にロボットとして存在する(予定)という無茶苦茶なキャラだから、『熱異常』の非現実感と終末感にマッチしすぎなんだよな。

 

 

1000年生きてる feat. 初音ミク , 鏡音リン , 鏡音レン , 巡音ルカ , KAITO , MEIKO and more... / セブヶ崎詠人【my pick 6👑】

 

ボカロをこれでもかと浴びられる作品。歌い手の種類えぐいのはそうだけど、その調教がとにかく尋常じゃなくて只管興奮した。色々書こうと思ったけど、作者の裏話note読んだらもうこっちが語るの野暮だと思った。これは一つの楽曲というよりボーカロイド文化そのもの。

 

 

悶々ふぁんもおらん feat. 初音ミク / 雄之助

 

最近「この曲めっちゃいいじゃん!」って思ったやつ、マジでことごとく雄之助産で慄いている。私きっと彼のEDMが死ぬほど好きなのね...可愛らしくて爽やかさがあるのに、オシャレも兼ね備えてる雄之助さんのサウンドが堪らない。原曲の完成度もあってヘビロテ確定。

 

 

まにまに alternative remix feat. 初音ミク / 芥田レンリ

 

これが""""オルタナ""""か......(全然わかってない)。

どうやらオルタナヤクザな作者。Twitter覗いたら8割オルタナの話してた。まにまにって原曲がとにかく至高だから、それを別味に仕上げて良く見せるって凄い技だなと思いました。あとラスサビの映像が素晴らしくて鳥肌。初見のインパクト圧倒的1位のRemixはこれだった。

 

 

チルドレンレコード /  ボカロP × 20人

 

はるまきごはんさんもこういう企画やってたけど、それぞれの音楽性を一度に楽しめる大勢Remix動画って神なんだよねJK。好きなフレーズいっぱいあったけど、よつぎさん、ヒロモトヒライシンさん、うみゃさんパートが特に好き。あとこの動画で伊織弓鶴とかいう神ボイスロイドに出会えたのが一番の収穫。

 

 

バビロン feat. 鳴花ヒメ / とりぴよ

 

大前提にアレンジ好きだったのは勿論だけど、それ以上に「え!?!?!?!?!?この時代にバビロンRemixが聴けるんですか!?!!?!?!?!?!?!」という懐古厨の興奮が優った。私のボカロ陶酔時代を彩ってくれてありがとうトーマさん...一生好きだ...

 

 

ネタ曲投稿祭 Ranking

一千光年 叫んでみた / ㍂

 

うん。ワイは好きやで。疲れた時とかに聴きたい。ジェネリックサンボマスター

 

 

圏外作品はこちらからどぞ〜〜〜〜〜

 

 

VOCALOIDって最高だぜ

最後まで一緒に駆け抜けてくれた人がどのくらいいるかな。長々付き合ってくれてありがとう。自分で書いてて楽しかったからやっぱ新しい音楽発掘するの最高だな〜!となれた。

 

私の人生において、音楽にどっぷりハマるきっかけの9割はボカロなので改めて偉大な文化だなと思った。

どのアーティストにも心血を注げなかった小学・中学生時代、あの頃の私には邦楽は退屈だったんだ。その型をぶち破って、なんでもありな世界を見せてくれたボカロが私は一生好き!飽き性だからずっとそこに留まることは出来ないけど、またふとした時に私はここに戻ってくるんだと思う。

 

次は無色透名祭かな〜〜冬のボカコレも楽しみ。みんなもボカロ聴いて2525しようぜ。

『怒り』と上手く向き合えない話

私、怒るのが苦手です。

 

 

大前提として、あんまりイライラすることがありません。

全くないとは言わないけど、ある程度の事は流せる自信があるし、皆がイライラしている様子を横目に「こういう事でもイライラしてしまうんだなあ」と内心思いながら黙るタイプです。

 

 

加えて、他人の怒りに遭遇することが怖くて苦手なので、自分自身も怒りたいと思えません。

イライラしている人を見ている時の自分はとっても息が苦しくて、心が締め付けられる時が多いから。自分がそういうストレスを与える側にまわることを考えるととても嫌で、怒りたくないんです。極力。

 

 

でも怒らないとやってられない時があるのも分かるから、責める気もないという感じ。友人の愚痴を聞くことも多いし、それでガス抜き出来るのであれば幾らでも立ち会いたいなとは思う。

だから、怒りが完全悪だとも思わない。人間の感情として必要なパーツだとも思う。

 

 

 

 

そんな私でも、時々とんでもない怒りと直面することがある。

ビル丸ごと破壊できそうなくらいの巨大な爆弾を、有無も言わさず心の中に突然植え付けられて、どうすればいいか分からなくなる時がある。

 

 

というか普段あまり怒らないから、いざご対面する怒りって、本当にとんでもないくらい大きなものが多いんです。怒りと認識するまでの基準が高いから、小さな怒りという概念がそもそも存在していないのかもしれない。

それか小さい爆弾は自分一人で処理できるから、そんなに困ってないかのどっちか。

 

 

 

そうして自分一人ではどうしようもないくらいの、自他ともに見境なく傷つけるような怒りを前にした時。

私は泣き喚くことしか出来ないことに気づいた。

絶望して、悲しくなって、虚しくなって、その気持ちが私だけを蝕んでいって、勝手に死んでいくことしか出来ないことに気づいた。

 

 

 

これだけ限界の縁にいても、怒りの原因になりふり構わず刃を振りかざすことすら出来ないんです。

言いたいことも、やってやりたいことも、ありったけの悪意も手元には全部揃っている。感情に任せて相手をズタズタに切り裂く武器は無数にあるのに、それを上手く使うどころか握ることすらままならない。

 

 

 

ってなったらもう、誰かに話を聞いてもらおうってなるよね。きっと皆もそうだと思う。

でもその時ですら、100%の解放が出来ない。全肯定してくれるような友人に話を聞いてもらったとしても、“怒っている自分”の姿をふとした瞬間に客観視して、どうしようもなく惨めに思ってしまう。

 

 

 

ああ私、今みっともなく怒ってるんだ。自分の感情をコントロール出来なかったんだ。そんな風に考える。

そしてどれだけ自分の怒りが正当なものだったとしても、怒ってしまった時点で自分の方が悪いような気がしてくる。

周りの人の手を借りてまで愚痴を言ったのにすっきりしないし、仮に言わずのままだったとしても心が疲弊する。

 

 

 

 

 

つまり私は、怒り=100%相手を傷つけるもの と思っていないにも関わらず、素直に怒ることが出来ないわけで。

 

 

 

 

 

怒らないって、私美徳だと思ってた。

今まで散々怒りっぽい人に出会ってきた。それまでとっても楽しそうにしていたのに、気に食わないことがあると途端に怒り出す人を沢山見てきた。それら全員が心の底から好きになれなくて、常に何処か冷ややかな目で見ていた記憶がある。

 

 

 

こういう人にはならないでおこう、と何度も唱えてきた。

 

 

 

でも、今は少し違うかもしれないなって思う。

全く怒らない。怒れない。怒り方が分からないというのも、十分病気だと思う。

 

 

 

なんなら今は、少し羨ましい。

あれだけ真っ直ぐな怒りをいつでも表現出来る事が、眩しいとすら感じる。

私はこの記事を書き上げてネットにアップすることすら若干の恐怖があるのに、彼らはそれを眼前で、生身でやってのける。

 

 

 

例えば、不当な扱いを受けた友人の話を聞いただとか、苦しんでいるのを無理くり我慢している様子を隣で見ているとか。

そういう、怒りの当事者が自分じゃなくて他人だった場合は、ストレートに怒れるのにね。

自分一人が抱える怒りには、どうしてこうも対応できないんだろう。

 

 

 

何よりね、多分これらの気持ちが一切わからない人って、人の機敏に鈍感な人が多いんじゃないかなって思う。

なりふり構わず自分の言いたいことを言って、やりたいことをやっている人。...っていうと若干の語弊があるけど。

 

 

 

その裏で、貴方の自由をなくなく飲んでくれている人たちのことを一切考えないどころか、そういう存在にすら気づかない人達。

 

 

 

そうはなりたくないんだよ。決して。人の心が分からない人間になりたいわけじゃない。ただ健全に、自分一人の権威の為に、正しく怒れるようになりたいだけなのに。

 

 

 

どうすればいいんだろうねえ。

難しいね。生きるの。

君の話 (お知らせ有)

本題の前にお知らせ。
 
LINE BLOGサ終らしい。余計なものが全部削ぎ落とされてて気に入ってたんだけどな😞
更新頻度は高くないにしろ、多分これからも気が向いたら記事は書くと思うので、同期可能なサービスに垢移行しました。はてブロにしたのでデザインが進化したよ!やったねかわいい^o^
今後ともよければお付き合いください。
 
 
以下本題◎
 
 
 
 
 
 
 
 
三秋縋先生著作の『君の話』が大好きです。
 
 
ちょっと思うところがあって先日久々に読み直しました。当時から書き起こしたかった感想を今更だけど残しておく。感想と言いつつ8割はそれに因んだ自語りだと思うけど。
あらすじも載せますのでネタバレ注意です。
 
 
 
 

それは今から3年半程前

に、何ともなしにふらついていた本屋でジャケ買いした小説だった。
 
本を買う時、私は4つの場所を見る。
表紙、タイトル、裏表紙に書かれたあらすじ、帯。どれか2つでも気に入る要素があれば大体買うことが多い。
今回であれば、まず表紙だった。青百合を胸いっぱいに抱えた少女が淡い色合いで描かれたそれに惹かれて、私は本を手に取った。
太く巻かれた帯にはこう書かれていた。
 
 
 
「欲しかったのは記憶なんかじゃなくて、今も隣で息をしているあなただった。」
 
 
 
そのまま特別中身を試し読みすることもなく、本と共にレジに向かった。試し読みをしなかったのは、帯を見て好きな話だと何となく確信したからだった。いつもなら必ず掛けてもらうブックカバーも断って、美しい表紙を撫でながらバスに揺られて帰った。
 
 
 
それから毎晩、その本を読み進めた。
わざわざ読む時間を夜に絞ったのは、日中忙しかったからというのもあるけれど、とにかく静かな空間で読みたかったからだった。この話に昼間の喧騒は似合わないと思ったから、なるべく明るいうちに読むのは避けた。読み直した今回においても、それは同様だった。
 
自分の呼吸だけが響いている、真夜中の薄暗い自室が1番馴染んでいると思った。
 
 
 

あらすじ

物語は、記憶の改変が可能になった世界で始まる。
 
義足や義眼のように、この世界には"義憶"が存在する。
身も蓋もない言い方をすると、偽物の記憶。
他人によって創られた夢物語、幻、叶うことの無い願望。
 
 
 
 
人々はそれを、自身の欠陥に沿った内容で植え付けることが出来た。
例えば親からの愛情を受け取れず育った人間には、家族仲睦まじく暮らしていた記憶を。恋愛で苦汁を飲んだ人間には、誰もが羨むような恋人との甘い記憶を。金で苦労した人間には、夢の億万長者になった記憶を、等々。
 
 
専門のクリニックで診察を受けて、それを元に処方された薬を飲み干すだけの簡単な施術だった。
 
 
植え付けることが出来るという事は、反対に引き抜くことも出来る。
嫌な記憶、消したい過去。人間誰しもが抱えているそれらを、選択して忘れてしまえる世の中になった。同じように診察を受けて、処方された"レーテ"と呼ばれる忘却用の薬を飲むだけ。
 
 
 
 
主人公、天谷千尋は、そうして何もかもを忘れたかった。
二十歳の夏を迎えても尚、彼には輝かしい思い出がたった1つとして存在しなかった。
 
 
両親は共に義憶に依存して生きており、家庭は家庭として成り立っていなかった。母はよく千尋の名前を呼び間違え、父はよく母の名前を呼び間違えた。
何故なら母の義憶には3人の娘、父の義憶には5人の妻が居たからだ。
両親は同じ家にいながら、極力顔を合わせることを避けた。別々で食事を取り、勝手に家を空け、連絡も寄越さず帰って来る。千尋に1度として向けたことの無い優しい眼差しを、常に偽りの記憶に住む人間(作中では義者と呼ばれる)にだけ向けていた。
 
 
そんな環境で愛情を注がれる訳もなく、彼もまた大変弄れて育った。元の性格も相まって学生生活に目立った思い出はなく、友人も居らず、恋人もいなかった。濃淡のないグレーな日常だけが永遠と連なっているだけの、空っぽな人生が今日まで続いていた。
 
 
 
 
その"空っぽ"ごと、彼は消し去ってしまいたかった。
 
 
 
 
両親の離婚後、母は千尋だけを綺麗さっぱり忘れ去った。それは義憶に住む3人の愛娘を守る為だ。彼女らだけを自分の子だと認識するのに、千尋の存在はあまりに邪魔である。
そのようにして"レーテ"は基本、大事な記憶(義憶)を守る為のノイズ処理として使われる。
 
 
 
ただ、千尋の人生にはその対象すらいなかった。
つまり、なくなって困る思い出も、残って困る思い出もなかった。縁を切りたい人も、一生をかけて仲良くしたい人もいなかった。
それだけで、天谷千尋の人生がいかに空虚で灰色なものであるかは想像に容易い。
 
 
 
彼は考えた。
器があるから空白が出来上がる。虚しさが生まれる。
ならば器ごと消し去ってしまえば、虚しさも消える筈だと。
何もない、という感覚に苛まれるから辛いのだ。その認識を手放すことが出来れば幾らかマシになる。
 
20年間という空白そのものを、全て忘れてしまえばいい。
そうして限りなくゼロに近付いて、新しくスタートするのも悪くないだろう。
 
 
 
 
勿論、義憶を植え付ける選択肢もあった。
彼が消去を選んだのは、義憶によって両親に愛されなかった過去が絡んでいる。
端的に言えば、義憶を心底拒絶していた。
 
何より、自分の中で最も輝かしい記憶が偽物だなんて、あまりにも虚しい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
クリニックにて診察を終えて数日後。自宅に届いた"レーテ"を、彼は説明書も読まず一息で飲み干した。
悲しいかな、義憶の薬を服用する両親を数え切れない程見てきた彼には、説明書など読まずとも服用手順が頭に入っていた。
 
 
 
 
ベッドに横たわって目を瞑り、記憶が消えるのを待つ。
30分後の生まれ変わった自分を、ひたすら待つ。
 
 
 
 
待つ。
 
待つ。
 
 
待つ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
消えない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
どれだけ待っても、記憶が無くならない。
いつの時の自分もはっきりと思い出せる。5歳の自分、10歳の自分、15歳の自分。消し去りたかった筈の、灰色の日常が脳にこびりついて、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ふと、記憶の中の異物に気付いた。
間違いなく、今までになかったものだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
病的な程真っ白な肌に、艶やかな黒髪。
華奢な腕は男のものとは全くの別物で、女であることをまざまざと見せつけられるようだった。
そうして彼女は、子供じみた笑みを浮かべて「千尋くん」と言った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゴミ箱に放った説明書を慌てて取り出して読み直す。
"レーテ"ではなく"グリーングリーン"と書かれていた。
 
手違いで届いたであろうそれは、架空の青春時代を使用者に提供する義憶薬だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
果たして天谷千尋は、夏凪灯花という幻想の幼馴染を手に入れる。
 
 
義者である夏凪灯花は、勿論現実世界には存在しない。義憶の中に出てくる架空の人物でしかない。
それでも今の彼の中には、夏凪灯花を形作る数多の甘い記憶がある。これが偽物だとは到底信じられないほど鮮明な記憶が、無数に脳に植え付けられている。自分の為に作られた最強の幼馴染は、言うまでもなく千尋の好みに完璧に合致した。幻だろうがなんだろうが、恋を覚えずにはいられないくらいに。
それがまた彼を苦しめ、現実の彼を空っぽにさせた。その恋は、出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた。
 
 
 
 
 
だから今度こそ、"レーテ"を飲まねばと思った。
埋め込まれた夏凪灯花ごと消し去ってしまおうと、酒を煽りながら決意を固めた、翌日。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「...千尋くん?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
夏凪灯花が、隣の部屋に越してきた。
 
 
 
 
 

私の話

私がこの作品を愛せるのは、主人公の倫理観にとっても納得出来るからだと思う。
 
 
 
突然だけど私は、心から通い会える『  』の特別であり続けたいし、『  』の中でなにかにおいての1番で居続けたいし、人生という長い目で見た時の『  』の相棒になりたかった。いや今もそう思ってる。大切な人が増える度、心の奥底でそんな存在になりたいと思い続けている。
 
 
 
人によっては、今の言葉を聞いて恋人を想像すると思うけど、私のそれはちょっと違う。性別はそこに関係ないし、身体の関係は求めてないし、同居してずっと一緒にいるというのもきっと私には向いてない。かといって代わりに毎日きっちり連絡を取りたい訳でもない。
 
ただ、なんとなく。
 
何となく放った一言でその人の人生を支え続けたり、どれだけ時間が経っても大事な人は?と聞かれてぱっと面影が浮かんだり、ただ二人で話しただけの時間が忘れられない記憶として残り続けたり、本気で一生終わらないで欲しいと思える時間を提供できるような。
そういう、『記憶の中だけでも永遠でいられる人』になりたいんだと思う。
 
 
 
でも、その願いを叶えるのは限りなく難しいことを、私は知っている。
人の気持ちに"絶対"も“永遠”もない。私が1番、それをよく分かっている。生きているものが必ず死ぬように、変わらない気持ちは存在しない。
 
 
 
ある時ふと「大事な人が増えたな」と感じる瞬間って皆あるのかな。
LINEを送るハードルがいつからかぐっと下がったり、インスタの親友とかTwitterのサブ垢のフォロワーが増えたり、遊ぶ計画を立てる時に当たり前に名前が上がるようになったり、傷ついてる姿を見ると目の前が真っ暗になったり。
いろんなタイミングと形があると思うけど、そういう気づきを前にした時、私は怖くなる。この気持ちも縁も、いつかきっとゆっくり消えていくんだなぁって考えちゃうから。
 
 
 
小さい頃、何処にいくにも一緒だったぬいぐるみの行方を私はもう思い出せない。幼稚園で結婚を誓った男の子は、顔にも名前にもモザイクがかかっている。あんなに毎日一緒にいたのに卒業を皮切りに切れた大事な縁が、そこらじゅうに転がっている。知らない人と知らない土地で幸せそうに過ごす姿をインスタで見かけて、いいねを押すだけの関係が私たちの終着点だった。
 
 
 
でもこれは当たり前のことであって、私が極端に薄情であるとかそういうことではないと思う。記憶は消えて、忘れていくものだから。環境や気持ちの変化で、音もなく静かに壊れていくものだから。
 
 
その当たり前が、私はどうしようもなく悲しくて、耐え難い。
だから相手が『大事な存在』に昇格する前に線引きしなきゃなって思うことがある。これ以上親しくなると後が苦しいから、一歩引いて接する時がある。反対に、関係がステップアップする感覚が心地よくてどうにもならない時もある。好きだなあ、大事だなあと思う度、自制なんて出来るわけねえだろバーーーカ!!と中指立てる時がある。
 
 
 
そんな矛盾に、ずっと苦しめられていた。
 
 
 
天谷千尋は、そんな私の弱さに寄り添ってくれた。
彼は私より遥かに臆病だった。「どうせ失うくらいなら大事なものなど要りません」の極致だった。生まれ育った環境的にも、そうならざるを得なかった。
 
 
でも彼も本当は私と同じように、『  』の中で永遠に生き続けたい人だった。
心から通い会える『夏凪灯花』の特別であり続けたいし、『夏凪灯花』の中でなにかにおいての1番で居続けたいし、人生という長い目で見た時の『夏凪灯花』の相棒になりたかった。
 
 
 
もし全てのことを都合よく考えられれば、彼はずっと楽に生きられたと思う。
それこそ隣に越してきた夏凪灯花を見た時。彼女のことを幻想の幼馴染だと思っていたけど、実際はこうして存在したんだって。俺の記憶が歪んでいただけだったんだって。昔と変わらず、灯花は永遠に俺を愛してくれているって。
そう馬鹿正直に、疑いもせず信じていれば、彼の求めていた幸せはもっと簡単に手に入っただろうにね。
 
 
 
結局彼は、自身の臆病さを一生後悔することになる。そしてその後悔をもってして読者に訴えかけていた。
例えその絆がいつか終わっていくものだとしても、怖がらずに、躊躇うことなくその瞬間だけでも全力で愛すべきだって。推しは推せる時に推せ理論と同じで、大事なものは大事に出来る時にとことん大事にするべきだって。そうしたらいつか、誰かの記憶の中で永遠になれるかもしれないって。
 
 
 
それを教えてくれただけで、私はこの本を読んでよかったなぁって思った。
 
 
もしこれを読んで思い当たる節がある人は是非この本を読んでみてほしいな。きっと私と同じように、救われる人がいると信じて。
 

 
 

殴り書き

気持ちの整理と備忘録。






このブログを最後に書いた日。歌をやめようと決意したあの日から、もう2年が経った。

私はというと、結局なし崩しでまた音楽の元に戻ってきていた。元々足りなかったのに、2年のうちに失った歌唱力と音感は直ぐに埋められる訳もなく、以前よりずっと酷い歌を歌って、晒しているような気がしている。

何となく思い立って、昔の自分の歌を聴いた。
nanaのサブ垢に壁打ちみたく放り投げていた、拙い歌の数々。ピッチは酷いし、発音はふにゃふにゃだし、表現は不器用で聴きにくいものばかりだった。
でも、今みたいに保身が少なくて、もっと挑戦的な歌ばかりだった。私は昔、ギリギリ出るか出ないかみたいな、苦しい音域を頑張って張るのが好きだったのを思い出した。小学中学高校くらいまでは、そうだったと思う。

それを辞めたのは、「お前は無理して張らなくていいよ、それでも良さがあるから」と言われてからだと思う。
仲の良い、信頼している人からの言葉だった。元々張れる音域が狭い私には救いの一言でしか無かった。張らなくていいなら、もっと綺麗に表現出来る。もっとピッチを気にすることも出来る。これでまた私の歌が前に進めるって、そう思った。

いざ蓋を開いたら、中身のない薄っぺらな音楽が出来上がっていた。
分かってる。そもそも、彼の言葉は全部が全部張らなくていいって言いたいわけじゃない事。分かってる。全ては私が捉え方を間違えたせいで、自分の歌を客観視出来ていなかったせいな事。分かってる。分かってるけど、私は心の中で「嘘つき」って言った。


私は自分の張った声が本当に好きじゃなかった。汚らしくて、苦しくて、音域が高くなればなるほどそれが濃くなって、破裂してるみたいな飛び散り方をしてて。誰かに聴かせたいとは思わないし、武器として使うにはあまりに耳触りが悪いと思っていた。だから張らなくていいと言われて安心したし、自分の耳を再度信じることも出来た。そうだよね、私の声、やっぱり良くないよねって素直に頷くことが出来た。


でも、私の張った声が好きだと言う人もいる。一切張らない音楽は、甘さのないわたあめのような味がする。同じことばっかりやっても面白くないよ、と私に説いた人がいる。


歌いたいものを、自分が表現したい方法で完成させたいだけなんだ。本当は。どう歌った方が好かれるかとか、聴こえがいいとか、イマドキっぽいかとか、全部かなぐり捨てて、やりたいようにやりたいだけだ。
それに数字がつけば勿論嬉しいけれど、つかなくたって構わないんだ。私の解釈を極限まで濃ゆくして溶かしこんだ歌を、満足いく形で完成させることが出来た。その事実が、私にとって1番の幸せだから。


でも、それは"歌い手"という活動においてはとっても格好悪く見える。数字がなきゃ、皆が認めるものを出さなきゃ意味がない。そう言われている気がする。


多分、ふたつを満たすことはほぼ出来ない。
私が心から愛していると言えるサウンドには、必ず低評価がついている。綺麗に自分の愛したサウンドにだけ、ついている。思想盛り盛りの音楽は、どう足掻いたって万人受けはしないということが、結果として現れていた。


じゃあ私はどっちを取ればいいんだろう。
自分を殺して需要を取るか、数字を殺して理想を取るか。
いや、別にどっちも取っていいとは思う。交互に選曲するとか、その時の気分に合わせるとか、全然やればいいとは思う。
でもそれすら恐ろしく思うのは、私が1番皆に執着しているからだ。私が1番、どっちの自分も否定しているからだ。


全部、周りの目に対する私の気持ちのせいなんだ。
張れなくなったのは、私には歌えないと思っているから。私の声なんかが、って思っているから。暗に裏声が好きだと言われた気がしたから。
歌をやめようと思ったのは、自信がなかったから。私にはもう皆が求める"麗音"でいられる力がない、恥ずかしい、申し訳ない、居た堪れないと思ったから。
数字を捨てきれないのは、本当に誰一人私の歌を忘れてしまったら悲しいと思っているから。


下手な歌も、聴き苦しい歌も、解釈の深淵みたいな音楽も、流行りだけを詰め込んだ消費の早い音楽も、私が選んで作った音楽だ。間違いなく全部私のものなんだ。
そう唱えて、理解して、真っ向から愛してあげることが、今の私には出来ないから苦しいのかな。


私は、自分のことも、自分の音楽のことも、こんなに分からない人だったのかな?
皆から見た私ってどんなだろうとか、皆から見た私の音楽ってどういうものだろうとか、私のどんな音楽が好きなのかとか、そんな事ばかり考えて、夜が明けた。




歌をやめる話



やっとだ。やっとだよ。

長らくやめたい捨てたい離れたいと言ってきたんですが、遂に踏ん切りがついた気がするので。
もう「今しかない」と思ったので。






歌を、やめようと思います。






まぁそんな大々的に書くことは無いなぁ。
辞めるつったって大御所歌い手なわけでもないし、今は死ぬほど沢山歌をネットにあげてるわけでもないしね。そもそも辞めますって宣言すること自体、そっすかお好きにどうぞって感じだと思うんだけども...長らくやってきたから一応書かせて...




理由は単純に、私の歌が本当に下手で皆に聴かせられないって思っちゃったから。恥ずかしいから。
昔から大抵自信がなかったけど、それでもその時々で誇れるものとかはあったんだ。少しは。
でも今はもう誇れるものが何もないなぁ。なくなっちゃった。私の音楽である必要も見失っちゃった。情熱も愛もまだ死んでないけれど、それだけじゃどうしようもないんだよね。




言葉にすると伝わらないかもしれないんだけど、自己否定だけで成り立ってる決断じゃなくて、本当に下手になったんだ。
コロナ禍で家に家族といることが増えたから余計歌いにくくなっちゃって。歌ったとしても親に聞こえないようにとか、セーブして歌う癖がついちゃったから思うように歌えなくなっちゃった。




自分で歌ってて空っぽで、魅力がなくて、薄っぺらいな、それでいて下手だとかもう耐えられないな、ということでこういう決断です。
もう認めるしか無かった。水底に沈んだ私の音楽を無視し続けることが出来なかったし、逆に努力も出来なかった。下手になっていくのをずっと止められないでいたから、その時点でもう私は歌を聴いてもらう資格を自分で燃やしたんだと思う。




人生の中で血反吐吐いて頑張ったって言えるものは幾つかある。歌と、フルートと、演劇。
全部全部、辞めるつもりなんてなかった。頑張れば周りより結果が出せて、自分もこれらが好きだと思えたから、これが私の生きる道なんだと思った。




私は好きなことして生きてくんだ、見てろ私の事頭お花畑だと思って馬鹿にしてる野郎共ぜってえやべえ奴になってやっからなバーーーーーーカ!!!🖕🏻🖕🏻
ぐらいのマインドでいたんだけど(流石に頭沸いとる)、やっぱりどれも私の世界じゃなかったみたいで、辞める時は一瞬だった。
明確に差を見せつけられた時とか、溜まりに溜まった何かが弾けた時、突然自分の中に「もう捨てなきゃ」「諦めるべきだ」っていう気持ちがすとんと落ちてくるんですよね。




でもフルートも演劇も辞めたって死にはしなかったし、落ち着いてから狂うような後悔に襲われたことも無い(懐かしいなぁ、好きだなぁとは今でも思うけど)。
今それと全く同じ感覚を歌にも見ている。見てしまっている。だからこのタイミングで捨てるべきだと思った。そしてきっと捨てても、私死なないだろうな。
後悔も、するんだろうか。出来たらいいなぁと思うんですけどね。薄情だからわかんないな。




あ~~~でもCDとか作りたかったな~~~~オリジナル曲とかも結局作らず終わったな~~~~~~歌詞も書いてないしね~~~~~~〜くそ~~~~~歌の神になりたかったぜ~~~~~~~売れたかったなもっと~~~~~~~~最高な歌生み出して世の中に名前轟かしたかったわ~~~~~~クッソ~~~~~(強欲な壺)





そんな訳で、しがない1人の歌を聴いてくれて、ありがとうございました。生きる糧でした。本当に。
21年間ずっとずっと音楽のこと考えて生きてきたけど、ネットに歌上げてなかったらこうじゃなかったな絶対。知り合ってない人も沢山いるし。ステージに立つっていう夢も叶わないままだっただろうし。幸せだったな。




ライブしんどかったけど最高に楽しかったし、世の中こんなに歌上手い人がいっぱい居るんだって心震えたし、同時に辛くなったし、そんな人達と遊んだり話したり一緒に音楽したりするの、ほんとうに、ほんとうに好きだったんだ。わたしの居場所だったな。




プロでもなんでもない私の歌を1番好きだと言ってくれた人も居たね。今でも信じられないけど、本当にありがとうございました。
私は何も返せなかったけど、逆にたったその一言で一生自分の歌を愛せる人もごまんといる筈だから、皆好きなものには特大の好きをぶつけて生きてこうな🤟🏻 私も皆の歌ばちこり好きだし。




音楽はこれからも聴くし一生好きだと思うけど、歌を歌う日はこれから戻って来るのかな。ちょっと分かんないなあ。本当に分からん。
取り敢えずnanaも、始めたばかりのYouTubeもアカウントは残しておくつもりなので、是非私の幻影を抱いて生きてやってください。それか今この瞬間だけ死ぬほど悲しんでくれ。そしたら忘れてくれていいから。




情けなくも一応逃げ道としてこの一文を掲げるのですが、億が一戻ってくることがあったらまた出迎えて下さったら嬉しいです。本当情けないんだけども。
頑張ってきたもの全部捨てたら私どうなっちゃうのか、まだ怖くて分からないからさ...それだけ許して欲しいな。






それでは。本当にありがとうございました。

夏の半券



 その日はやけに湿気が酷くて寝心地が悪かった。汗ばんだ肌に眠気を奪われて、すっかり冴えてしまった目で壁時計を見遣る。午前3時。カーテンの隙間から覗く空は未明と言うには白みすぎているし、明け方と言うには少し暗い。
 再び瞼を下ろす気にもなれず、スプリングを軋ませて身体を起こした。君の寝息が聞こえない部屋には嫌がらせみたいに蝉時雨が響いている。まだ日も登っていないのにこんなに五月蝿かったかと考えて、はっとした。今までは夜更けに目なんて覚まさなかったから、僕が気付かなかっただけだ。君と抱き合って眠る夜は心地が良くて、分け合う体温で汗をかいても朝まで夢の中にいたんだった。

 長い溜息を吐き出して、もうだめだと独り言ちた。君がいた夏はどこか眩しくて大嫌いだったが、いない夏は今度蝉が姦しくていけない。
 にっちもさっちもいかない夜から抜け出したくて、弾かれるように立ち上がると洗面台で顔を洗った。それから適当な服に着替えると、近所をジョギングしに部屋を飛び出した。このままじっと朝を迎えるには、些か手持ち無沙汰で死んでしまいそうだったのだ。









 シャワーを浴びて一息つく頃には、纒わり付く重たい気配も幾らかましになっていた。
 濡れた髪をタオルで掻き混ぜながらキッチンに向かうと、コーヒー豆を詰めたミルのスイッチを押す。がりがりと唸りだしたそれは蟬声よりずっと喧しい。それでも嫌な気にならないのは、毎朝使っていたせいで慣れてしまったからだろうか。朝食は少し多めに取って、最後に淹れたてのブラックで締めるというのが彼女の拘りだったのだ。

 ブラックが飲めない僕にこの習慣はもう必要ない。分かっている。分かっていても、スイッチは切らなかった。

 電気ケトルの準備も済ませたらその場を離れて、2人がけの食卓に腰を下ろす。向かいの空席にはまだ慣れない。ポケットから携帯を取り出して時間を確認すると、既に2時間が経過していた。差し込む光は起き掛けより明るく、室内に燦々たる白線を引いている。
 締め切った密室の中停滞する酸素を吸いこんで、僕はゆっくり目を閉じた。






 彼女と別れたのは今から3日前の事だ。
 なんの前触れもなく「別れよっか」と呟いた君に、僕はたっぷり10は数えて分かったと頷いた。引き止めなかったのは彼女が嫌いだからとか、自分も別れたかったとか、そういうわけじゃない。あまりに真っ直ぐな眼差しに何も言えなくなってしまったのだ。

 臆することなく僕を貫く双眸からは、一縷の悲哀も感じ取れなかった。恋人として過ごした日々は嘘だったんじゃないかという気すらした。
 血も涙もない宣言に全身が冷え込んだが、その真相は、ただ僕に気付かせてあげようとしただけだったと今なら分かる。終点からその先へは進めないように、僕達を乗せた電車もこの日を境にぱったりと線路が途切れていて、これ以上はないと教えてくれただけだった。何も知らない僕が突き進んで脱線しないよう、ここで降りようと手を引いてくれたのだ。

 僕の返事にかんばせを綻ばせた彼女は、飲みかけのブラックもそのままに身一つで出ていった。それが最後のやり取りで、3年近い交際は突然幕を下ろした。






 回想に耽る僕の意識を、挽き終わったミルが呼び起こす。重たい腰を上げてキッチンに戻ろうとすると、ふと壁に立て掛けられたコルクボードが目に入った。彼女との写真やお揃いのアクセサリーを飾っていたものだ。
 まるで魅入られた様に、ゆっくりと歩み寄る。一頻り眺めた後、色の褪せかけた2枚の紙を画鋲からそっと引き抜いた。3年前一緒に観に行った映画の半券だ。


 彼女の誘いで連れられたタイトルは当時流行りの現代ラブロマンスだった。旬の俳優が押し出されただけの捻りもなく目立った展開もないそれは、僕からするととても面白いとは思えなかった。ところが君は座席から立ち上がるなり「すっごい面白かったね」と笑うので、僕もそうだねと目を細めたっけ。普段大人しい彼女が子供になって燥ぐ姿は可愛くて、映画の内容なんてものは一瞬で吹き飛んでしまった。堪らなくなって帰り際に好きだと言えば、彼女は美しく笑ってワンピースを風に靡かせた。

 本当はもっと気の利いた言葉を捧げるつもりだった。それこそ映画みたいに臭い台詞の一つや二つ、こんな時ぐらいはと思っていたけれど駄目だった。口下手な僕にはハードルが高すぎる。結局どれだけ探しても見つからなくて、その3文字が僕の精一杯だった。

「沈黙だってあなたなら、平気だよ」

 見透かした君はそう言って僕の手を取った。家に着くまで繋がれたそれが、君のくれた気持ちだった。今日と同じ蒸し暑い夏の日に、僕達は始まった。


 脳裏に浮かんだ君が、半券を握りしめたまま立ち竦む僕を嗤う。寂しさに憂う背中は誰が見たって男らしくない。やっぱりこういうところで愛想を尽かされたのだろうか。だって喧嘩は殆どしなかったし、キスもセックスもお互い満足していたと思う。趣味はそれぞれ違ったけれど一緒になって楽しんだし、離れ離れになるなんて考えもしなかった。それとも全て僕の独り善がりだったのだろうか。・・・分からない。自問自答しても答えは出ないし、正解かどうか知る術もないのだから。







 少しの間考えて、僕は半券をコルクボードに戻してしまった。
 忘れ合おうと言ったって、そう簡単に全てなかったことには出来ない。紙切れひとつ捨てられない程、僕は彼女が好きだったから。
 どうしようもなく、好きだったんだ。

 今はまだ前に進めないけれど、僕を振るなんてと怒れるぐらい君を嫌いになれたら、捨ててもいいかもしれない。その頃にはきっと更に色褪せてボロボロになっているだろうし。だから次の恋を見つけて、一回り大人の顔が出来るようになるまで。それまではどうか残したままでいさせて欲しい。誰に言うでもなく、僕は心中でそっと乞うた。
 もし、またいつか。どこかで逢えたらその時は、お互いの世界を自慢しよう。僕のいない夏を生きた君と、君のいない夏を生きた僕の話をしよう。同じ朝焼けしか知らなかった僕達で、違う朝焼けの話をしよう。


 その為には出来ることから頑張るしかない。深呼吸をして、放置していたミルに駆け寄った。ドリッパーにフィルターを被せて、挽いた豆を掬い入れる。丁寧にお湯を注いで抽出したものをマグカップに移すと、途端に芳ばしい香りが鼻腔を擽った。良い気になってそのまま一口啜ったが、ミルクのない苦味を好きになるまではやはり時間がかかりそうだ。



 たかが1杯飲み干すのに四苦八苦する僕を、夏の半券だけが見守っていた。








***




『夏の半券』勢いだけでワンライチャレンジ。
完全に妄想の産物なんですけど、自分で書いてちょっと気に入ったので置いときます。書籍化しろよってずっと思ってる。出来れば三秋縋さんに書いて欲しい。

素人の遊びとはいえ、なんか気に触ったりとかあればましまろにぶち込んでください。土下座します。




良ければこれを読んだ後、是非動画見てほしい。音源だけじゃなくてみきとさんが撮った写真も一緒に見てほしいんよ...。
私含めりょーくんVer.を聴いてる人が多いと思うので、敢えてミクVer.貼らせてくれ。全然違って聴こえるので私はどっちも好きです。


幾つになっても聴きたい夏歌。一生神曲。BIGLOVE。