なんて素敵にグロテスク
というのも、「Apinkの強みって何だろう?」って考えた時真っ先に思い浮かぶのは"個々の歌が魅力に溢れていること"です。
私は「この曲はメボが歌うサビが良いよね」とか「この子の歌うAメロが好きなんだよね」とか、細かいパーツを気に入って1曲聴くことが多いんだけど...これはそうじゃない。全部。頭から爪先まで、一つのパートも余すことなく好きだと自信を持って言える。
歌い回しからパート割まで全く抜かりがなくて、検証してもないのに「これ以上の模範解答はないだろうな〜」と思わせてくれるApink。"一曲通してずーーーっと良いところ探しが出来る楽曲"、そんな音楽を彼女達は3回連続で拵えて来たから本当に怖い。
ところで、さっきは憧れって表現したしそれも正解なんだけど、思えば彼女たちへの思念って一目惚れの恋から始まっている。人それぞれ大好きなものがあると思うけど、どうやって好きになったのか覚えていますか?時間をかけてゆっくり根を張ったものもあるだろうし、私の様に一瞬の雷にやられた人もいるんじゃないだろうか。
『일도 없어』ではボミの、突然自分の耳をグッと引っ張られて「聴きなさい!!」と言われている様な、貫く力を持った歌声に。
『응응』ではウンジの、一際高いピンヒールで床を叩いてランウェイを闊歩している様な、自信に満ち溢れる歌声に恋をした。
今回の『덤더럼』では...誰だろう...選べないなぁ。上の2人は勿論の事、ナムジュの、喉奥からこぼれ落ちる程の艶やかさが詰まった歌声も好き。
ハヨンの、ローハニーみたいに淑やかだけど"甘すぎない"&フレーズ毎に細かく仮面を付け替える"技量"を兼ね備えた歌声も好き。
チョロンの、囁かれている様なくすぐったさを感じられる小悪魔的歌声も好き。
ナウンの、「綺麗なお姉さん」をそのまま音にしたみたいな女神を彷彿とさせる歌声も好き。
あぁ〜〜〜〜〜皆好き。抗えない恋すぎる。6人それぞれが種類の違う"女がなりたい最高の女"を歌で表現してくれてるのよ...This is saikyou LOVE.......( ᵕ ᵕ̩̩ )♡
単純に可愛いんじゃなくていつもちょっとグロテスクだから推せる pic.twitter.com/O1XXVKS9l6
— 麗音 (@Leonana110111) April 13, 2020
さて、曲が変わればコンセプトも衣装もメイクも、そしてMVも変わる。ここ最近の3作に関して言えば、彼女達のMVは"狂気"、"グロテスク"、"ピンク"、"美"、で成り立っています。タイトルにも入れたんですけど、彼女達のはホラー的なグロではないです。ストーリーとか質感とか色合いとか表現方法とかの話。MV見ると、美しいものほど現実性が薄れていくし、狂気的でグロテスクになることをよく熟知した映像だなぁ〜って惚れ惚れするんですよね。
殺人シーンをそのまま描く訳にはいかない、ならポテトに大量のケチャップをぶっかけてフォークで一突きにしちゃおう、とか。ナイフで刺すとリアルだからピンヒールにしよう、とか。素敵なものいっぱい水に溶かして完璧な恋人をつくろうとするところとか。想像するとえも言われぬ不気味さ、気持ち悪さがないですか?
そしてこの"グロテスク"には必ず沢山のピンク、沢山の宝石、沢山の美が一緒に敷き詰められてる。私はセクシーで毒々しくて、絡めとる様なピンクを纏い始めた彼女達が好き。今回のコンセプトが「ありのままの自分を愛し、自分が見るように生きていく」であるように、一括りにピンクと言っても様々あることをもっと発信して欲しい。Apinkに似合う真のピンクをこれからも示して欲しい。
長年活動してきたアイドルだから、コンセプトが大きく変わった事に不満を持つ人も沢山いると思うの。でも女の子の夢を極限まで詰め込んだ挙句狂っちゃった音楽、一生愛していくからね私は。
だって笑顔の絶えない女だけが可愛いの?
フリフリのスカートだけが女らしさ?
ピンクは純情の代名詞?
いいや違う。そうじゃない。
女ってもっと、グロテスクな生き物だもの。