秘密ゲーム

nanaの更新頻度が酷い時と、ブログをしたためようとする時は大抵考えがぐるぐるしている迷走時。
こんばんは、麗音です。寒いですな。先日毛布を買ったら万能過ぎてそこから出れません。おこたが欲しい。




そういうわけで、どういうわけか今回は経験談もとい私の感想ナレーション付き回想日記の予定です。
大事な大事な注意特記はこれからもやっていくよ。
地雷踏み抜く前に、危険だと思ったら帰還してくださいね。踏み抜いたら最後、帰りたくても帰れないのでね。足がないので。













さて。

先日、とある人とご飯に行きまして。
仲が悪い人ではないんですけど(何なら私はとっても懐いている)、機会がなきゃ滅多に会うような人ではないし、ましてや二人きりでご飯なんて前代未聞なわけで。(色々あって1月は何かと顔を合わせることが多かったけれどご飯はなかった)
気付いたらそういう流れになったわけです。


お店に入ったのが確か18:00手前。
そこからご飯を食べて退店したのが22:30近く。

お酒なしで、ほぼぶっ通しでしゃべくり倒しました。恐ろしい。
しゃべくり倒した、というより、私の中の感覚ではディーラーなしの賭け事をしてる気分でした。
バキッとしたルールも勝ちも負けもない、何でもありのイカサマゲーム。賭け金は自分の人間としての評価や好感度。手札は人生の経験談や持論、他人の嘘か本当かも分からない噂。
木目の可愛いテーブル1枚の距離が、お互いのテリトリーを守ってました。踏み込んでみようか、引いて様子を見ようか。相手はそんなこと微塵も思わず話してたんでしょうけど、何となく私は手に汗握る戦いをしているような気分でした。めちゃめちゃ可愛いお店だったのになんてことしてんだ。

今日はその時思ったあれこれを残していけたらなって思って。覚えてるかな。既に記憶が欠け始めていて不安。





















突然なんですけど、皆さんは自分が誇れるものってありますか?



「例えば会社の面接とかで、『貴方の長所はなんですか?』って聞かれたら、『世渡りが上手なところです』って言うかな。これだけは胸張って自分でも誇れるんだよ」


きっかけは、その人が会話の中で言ったこの言葉。
それを聞いて、本当に面白い人だなぁと思いました。




自慢でも何でもなくて、客観的に見たってその通りなんですよね。本当に世渡り上手な人です。先述したけど私も凄く尊敬してるし、実際とっても話しやすくて接しやすくて。懐にしまった大事な何かをうっかり落として拾われてしまうような。拾われたら最後絶対返してくれないし、なんなら拾われた事なんて気付かず終わるんだろうな。
そんな能力の高さを自分でもわかってるし、自慢できる要素として認知してるのかこいつ、と。

怖いと思いました。

そんなチートスキル、無意識に持ってるだけでも最強なのに、自由自在に操れるんだとしたら敵無しじゃないか。加えて自己評価が高いタイプでもないので、これは相当な事例なわけで。

で、何にも言い返せず、私は「本当にね。その通りだと思う」って笑った気がする。

でもこうも思った。
その切り札を私に大々的に言えるぐらいに自信があるのか、と。












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うん。何言ってんのこいつってなってるよね。
整理するね。





私の中で、「世渡り上手」スキルを持ってる人って色々パターンがあると思ってて。
例えばある人は、0からでも他よりお仕事がとっても出来て気も利くとか。
またある人は話術がとても達者で、ある程度人よりリーチを頂いたところから仕事を始められるとか。
言い始めたら切りがないな。こんな感じで、一概にこれって言えないんですよね。「世渡り上手」=〇〇だ!!!みたいな条件をいまいち見つけられなかったんです。
でもこの人と話して感じたのは、「世渡り上手」は矛盾の駆け引きが上手な人かもしれないってこと。

「こういう事不得意なんです」って言いながらも頼まれた仕事を難なくこなしたり。「貴方の為ですよ」って言いながら他の人にもやってたり。初めに陰を匂わせて、行動では陽を徹底する。それを誰にもばれないように実行することが出来る。

周りにもし「世渡り上手」がいたら、少し言動に矛盾の駆け引きがあるかどうか探してみてください。あくまで私の感じた条件なのでね。本当かどうかの検証はしてないです。




で、私は相手に、その手の内を明かされた状態なわけです。

私は世渡り上手ですよ。この席は、私が世を渡る糧の一つでしかないかもしれませんよ。貴方に沢山の嘘をつくかもしれませんよ。貴方の情報を好き勝手に使うかもしれませんよ。貴方は私を好きでも、私は貴方を何とも思って無いかもしれませんよ。

って。
そう言われてるように感じたんです。
だから私は疑った。そこまで余裕綽々で手札を見せたということは、それでも勝つ自信がお有りなんですねって。
そこまで言っても尚、私から信頼の一つも落とさずこの席を立って帰るつもりなんですねって。
だってそんなの、それこそ面接とか以外では言わない方が吉だもん。まさに「世渡り下手」な一言でしかない。相手にいい顔をする、それが本人にとって嘘でも本当でも、相手にとって本当であれば問題ない。それが最低条件なわけで。それを、嘘かもしれないよって匂わせるなんてとんだ賭けもいいところだ。


いいでしょう!!!受けて立ちましょう!!!
貴方とさよならをするその時に、少しでも私の中の貴方が形を変えてしまったら私の勝ち。最後まで歪むことなく、私が貴方の世渡り材料になるしかなかったら貴方の勝ちだ!!!



.........しょーもなって思ったっしょ。分かる。折角のご飯ぐらい頭空っぽにして楽しく会話すればいいのにな。








そんなわけで、私の中の熱い戦いは人知れず勝手に火蓋を切りました。相手にはいい迷惑なことだと思う。
二人で摘んだ魚介のアヒージョと、一個ずつ頼んだオムライスと、珍しい栗のお紅茶だけが心の支えでした。
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美味しい。美味しい...本当に美味しい...( ; ; )








普段その人、自分の思ってることとかは殆ど口に出さないんです。大抵の事は許せてしまう性格でもあるようだから、イエスマンに近いのもあって尚更。
でも気を利かせてくれたのか、その日は思いのほかよく喋ってくれたんですよ。聞いたら色々細かく答えてくれるし。話のジャンルは音楽から恋愛、普段のプライベートの話なんかまでいろいろでした。物珍しいから、思わず聞いたんです。


「こういう話って普段からよくするの?」
「いや、殆どしないね。こういう席で人によってたまーにするぐらいかな」


この時点で、相手は私に対して「貴方は選ばれし人間ですよ」ってことをさりげなく示してるわけです。こういうスキルを細かく使ってくるのが凄い。普段ならちゃっかり喜んでるところですが、その日の私は勝手に負けられない戦いとして参加してましたから。「ふーん」と流すふりをしてお紅茶を飲む行為に逃げました。圧倒的弱腰。
とはいえここで引くわけにもいかないので、私も負けじと質問を畳み掛けます。


「普段あんまり自分の思ってること言わないからさ、聞くの面白いよ。もっと言えばいいのに。それに結構真面目に考えてるよね」
「まぁね〜。でも普段あんまり言わない分、口に出すことは基本全部本当に思ってる事だよ」


次の瞬間、他所を向いてた二つの目が私を捉えて、

「まぁ、嘘もつくけどね」


って笑った。

















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負けた。
もうどう頑張っても勝てない。
ゲーム開始から一時間も経たないうちに負けを確信した。勝ち負けとかないとか一番最初に書いたし実際これは私の中だけで行われたから事実ないけど、それでも負けだった。一瞬の安堵を相手に与えておいて、最後に付け足した言葉で完膚無きまでにぐちゃぐちゃにされた。「世渡り上手」であるというスキルを相手に見せておくことによって、最後の一言がデタラメじゃなく本当であることが立証されてる訳ですから。もう何が本当で何が嘘かを考えてる時点で私の負けだった。最初から試合なんて成立しなかった。賭け金すら持ち合わせていなかった。
若しかしたらさっき私に言ってくれた言葉は嘘だったのかもしれない。いやでも、ここからここまでの言葉が嘘偽りのないことであることもわかる。じゃあ結局なんなんだ???貴方にとってのこの席はどのレベルに値してるんだ??何処までなら話しても飲まれないでいられるだろうか???そいつの肥やしにならずとも話が出来る方法は???そもそもそんなものは存在しない????



はい。もうこんなことぐるぐるしてる時点で完敗。
諦めて何にも考えず好き勝手話しました。ここまで疑いの予防線を張ったあとでも、やらかいところどんどんすんなり入って来るので「世渡り上手」って本当に凄いです。思えば昔から何かとその人には自分の隠し事...というか、格好悪くて他人には見せたくないところを話しては泣いて。話しては泣いてを繰り返していたので、今更勝とうとしても既に肥やしの身ではどうにもならなかったようです。
案の定解散したあとも、まんまと相手の言葉を真摯に受け止めすぎて痛いぐらいだった。し、私の中のその人は歪むどころか更に磨きをかけて帰っていきました。

凄い人だ。




でもあまりにも悔しいから無断でブログのネタにしてやった。少しでも困った顔をさせたかったが故の成れの果て。くそが。ざまみろ。でもその人全記事読んでる程の読者さんなので、いずれこの記事にも目を通すことでしょう。後でLINEで呼び出し連絡喰らわないか心配です。













少し話は戻るけれど、結局負けた私はありったけの賭け金を掻っ攫われたわけです。その中でも大きかったのがプライベートの話。


相手の方が年が上だから、私の隠してたものに対して経験を元にアドバイスやら励ましやらをくれました。ありがとう。
正直かなり抱え込んだものだったから、言葉を詰まらせないように話すので精一杯だった。話しながら自分を嫌いになって、すぐさま相手が慰めて回復する...そんなのをしばらく繰り返してた。相手も中々にハードな人生を歩んできてたので、仕切りに「こうならないようにね」と冗談交じりに言うのが一種のオチみたいになってた。そんなのが暫く続いた時。
私が、「何歳まで生きたい?」って聞いたんです。

「独身なら50ぐらい、結婚して子供がいるならそれ以上生きないとなぁ」と相手。

「麗音は早く死にたいんでしょ?」
「うん、私は30で死にたい。出来れば30で自殺がいいけど、そんな勇気もないしこんなこと言ってる奴ほど長く生きるだろうね」
「...でも、まぁ。自分の人生なんだからさ、好きに生きればいいと思うな。知らんけど」


ここで、死なないで、とは言わないんだなぁ、と思った私。
いい人だなぁ。でも我儘で強欲だから、同時に好きに生きればいいよと言われた瞬間頭の中で好き勝手色々喚いてました。白線の上を一緒にゆらゆらしてたあの人にも、「不自由なく育ってくれたね」って綴ったあの人にも、「絶対売れるよ」って笑ってくれたあの人にも、余すことなく「嘘つき」って言ってやった。私の中で。


「うん、そうだよね。長生きしてもいいことなさそうなんだもん。背負った罪が大きくて多すぎるしさ」
「出た。死とか罪とか好きだよね麗音って」


笑う二人。気付いたら何を考えるにもそこに戻ってきてしまうんだよなぁ、と思う私。


「...そんなに迷惑かけてるの?」


珍しく慎重な問いかけだったように思う。


「うん、かけてるね」


一拍置いて、清々しいほどはっきりと答えた私。


「そっか」


同じく一拍置いてから返ってきた返事。その後にいつものペースでまた「こうはなるなよ〜」と繰り返す相手。私は笑って「頑張るね」って茶化した。その後は馬鹿みたいな下らない話を長々続けて解散した。




そして、電車に揺られながら、ボロ負けしたけれど少しぐらいは私も勝てたかなって思った。だってその時のあの人は知らない。

既に私が貴方と同じかそれ以上に酷い道を歩んでること。

沢山の経験談を貴方が話してくれて、「こんなにやばいやつでも今はこれぐらいマシにはなったんだよ。だから大丈夫」って励ましてくれた。その度にそうだよねって頷いたけれど、それ以上に堕ちた人間の回復方法までは教えてくれないんだなと思った。当たり前だよね。貴方でさえも、私のこの切り札は破れなかった。自分が世を渡っていく上での肥やしにすることが出来なかったんだから。

最後に「1回転ばないと人間駄目だと思うよ。それでもまともになれないってなったら問題だと思うけどね」って言った貴方は知らない。その言葉が私の首をはねたこと。



くだらなくて情けないけれど、そんな秘密を守りきった私は何処か少し勝った気持ちになりました。直後「え、言われたことより酷い現状誇って何が良いんだろう?????頭悪いのかな?????」ってなったけど頭は悪かったから仕方ないなって頭悪そうな結論で片付けた。
結局こうしてブログを通して相手には伝わるかと思うので負けではあるけれど、ジャブぐらいは喰らわせられたかな、って。っていうか喰らってくれ。お得意の「世渡り上手」で嘘でもいいからさ、いい1発だったって言ってほしいよな。


次またあの人とゲームをする時は、もっと立派な人間になってたらなと思う。
し、それまで生きているかなとも思う。
あいつすぐ死ぬとか生きるとか言うよなっていろんな方に馬鹿にされまくってることだと思うけど、言うだけタダだからこれからも言うよ。














以上1部短編小説風回想日記でした。
扱き下ろしたように書いたところもあったけど、凄く楽しい時間だったな~~!普段あまり物申さない人が饒舌になって好き勝手話しているのをうんうんって聞くのって、なんでこんなに楽しいんでしょうね。本人では気づかないような些細な変化とかも見え隠れしてて、そこから見える姿とか見てると、人間って面白いなって本当に思います。なんかこうして書くとクソ性格悪そうだけど、なんだ、えっと、そんな変な見方とかはしてないよ。普段笑わない人にこの話題を振ると、笑顔で話してくれるのを見て「あぁいいなぁ素敵だな」とか思うみたいなそんなあれです。うわだめだもう何を言ってもわけがわからん。寝よう。皆も私と沢山お話しようね。

「多分お前は周りから見上げられてると思うよ。もっと下に降りな(笑)」ってその人に言われたの地味に結構気にしてる女です。私そんな人に見えてるのか.........取っ付きにくい自覚はあるんですけど全然そんなつもりないよ!!!!!!!!なんなら地面に埋まってる勢いで下に降りてるつもりなんですけど.........あれ.........。私も世渡り上手になりたい〜って思ったけどこんなことブログに書いちゃうとっつきにくい女がなれるわけなかったですいえーーーーーい!!!!!!!人生世知辛いね。





次はいつ会えるかな〜またね👋🏻






追記(2018/02/04
LINEでちくしょうって怒られました。いえーーーい✌︎